鳩対策の基礎知識……鳩被害の対策法・鳩対策の具体例のポイント
鳩は平和の象徴の動物ですが、私達の生活の邪魔をすることもあります。できるだけ鳩とは仲良く暮らしたいのです。鳩対策の基礎知識……鳩被害の対策法・鳩対策の具体例のポイントをまとめました。休憩鳩・待機鳩・ねぐら鳩・巣作り鳩など、どこまでその場所に居着いているかによっても対策法は違います。
鳩は、一度巣を作ってしまうと帰巣本能(きそうほんのう)が働きます。その場所に縄張り意識を持つのです。駆除する場合には、手間も時間もかかってしまいますから、できる限り早い段階で鳩の駆除が不可欠です。しかし、鳩は鳥獣保護法の対象になっています。注意深く行わなければなりません。
鳩は平和の象徴の動物。しかし私達の生活の邪魔をすることもありますが、できるだけ鳩とは仲良く暮らしたいのです。今回は鳩対策の基礎知識……鳩被害の対策法・鳩対策の具体例のポイントをまとめました。休憩鳩・待機鳩・ねぐら鳩・巣作り鳩など、どこまでその場所に居着いているかによっても対策法は違います。
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鳩に関して、知っておきたい基礎知識
鳩を私達が見かけるのは公園や駅などが多いですね。普通の鳩は「ドバト(堂ばと)」と呼ばれています。特に決まった飼い主がいない野生化して生きている鳩が「ボバト」です。鳩の起源はどこなのでしょうか。アジア・中央アフリカ・ヨーロッパの野生種であるカワラバトが飼い馴らされたものだと言われています。
日本に持ち込まれてきたのは古く奈良時代であるという文献があります。その後「伝書バト」とか競技用の「レース鳩」として飼われてきました。こういった鳩が野生化してしまって、今では日本のあちらこちらで見られるようになっているのです。
鳩の雌は一度に卵を2個産みます。環境が整っていて条件が揃っていれば、1年間に7回から8回程度出産します。生まれた鳩の「ヒナ」は約6か月すると卵を産めるようになりますから繁殖率はとても高くなります。鳩の寿命は10年から20年ほどになっています。
2年から3年が最も成熟する時期になります。特に繁殖期間はありませんので1年中繁殖します。特に繁殖が盛んになるのは温かい時期で春から夏にかけて盛んに交尾をするようです。
鳩の糞によって、もたらされる被害にはどういったものがあるのでしょうか?
鳩の糞によって媒介される病気
- 【クリプトコックス病】
- 鳩の糞に多く含まれているカビによってもたらされる危険度が高い病気です。鳩の糞が乾燥している状態でもリスクがあります。クリプトコックス病でも軽い症状の場合は皮膚炎程度のものです。しかし、クリプトコックス病が重症になってしまうと脳を冒します。最悪は死に至るほどの病気ですから注意をしなければなりません。
- 【オウム病】
- ドバトの50パーセント以上がウイルスを持っているとも言われています。鳩の糞や呼気抹に含まれるウイルスが原因です。人間が鳩との接触により媒介されて発症するのがオウム病です。オウム病の軽傷の場合の症状は風邪に似た症状ですからなかなかオウム病と気がつきません。オウム病が重症になると肺炎に似た症状になり、とっても危険です。
- 【トキソプラズマ症】
- トキソプラズマ症に妊婦が感染すると重篤な症状を発症します。流産をしてしまったり、生まれてきた赤ちゃんが脳障害になったりすることもあります。トキソプラズマ症は恐ろしい病気として覚えておきましょう。
- 【ハトジラミ、トリサシダニ】
- これらはアレルギーになったり、痒みや湿疹の症状がでてきたりします。
鳩の糞以外の被害にはどんなものがあるのでしょうか?
鳩の糞は酸性がとっても強い特性があります。鳩の糞をそのまま放置していると強い腐食性がありますから建物を傷めてしまいます。外部寄生虫(トリサシダニ、ワクモ、ウモウダニ)による被害の原因にもなります。
鳩は日本脳炎の脳炎ウイルスを持っています。蚊による血液媒介によって人に感染させてしまいます。鳩が群れをなして生息して集団化することもあります。羽音や鳴き声が騒音になってしまいます。これは安眠妨害になってしまいます。社会問題化している事例もあちらこちらにあります。
鳩が巣作りをする前に追っ払うことが大事な理由
鳩は、ペットやレース用として飼育されていない場合は野鳥として見なされます。巣を作ったり、産卵されたからといって、私達は捕獲したり威嚇したりすることもできないのが現状のルールとなっています。鳩を殺してしまって、そのまま投棄していると軽犯罪法に抵触してしまいます。鳩を捕獲してしまうと鳥獣保護法によって処罰されることになるのです。
最近、鳩が多くなって困るとか、バルコニーに鳩がやってきて糞をされるので困る場合もあるでしょう。そんな場合はバルコニーにでて鳩を驚かせるようにしましょう。音を立てるようにすると効果があります。夜ならば、ライトを当てて見る方法もいいでしょう。できるだけ巣を作らせないように追っ払う行動をすることが大事になります。そのまま放置しているのが一番具合悪いです。
鳩に巣を作らせないようにする3つのポイントとは?
鳩に巣を作らせてしまうと対処が厄介になります。そこで、ここでは巣作りをさせないようにする3つのポイントをご紹介します。(1)不要なものを撤去すること(2)人の気配を鳩に感じさせるようにすること(3)常に清潔にすることです。それぞれ、詳しく説明しておきましょう。
(1)不要なものを撤去すること
ベランダやバルコニーに何も置いていなくても、多い事例はエアコンの室外機です。室外機の裏は案外目が届かないところです。鳩が特に好むのは車のタイヤです。バルコニーやベランダに積まれているタイヤがある場合があります。ついつい置き場所に困って仮置き場にしているのです。鳩にとっては格好の環境になります。また、使わなくなった家具を置いておくのも鳩が好む要因になりますので注意してください。
(2)人の気配を鳩に感じさせるようにすること
ベランダやバルコニーでガーデンニングをしている場合は、鳩が興味をしめしてきます。巣作りに役立たないかどうかをチェックするわけです。ガーデニングをしている皆さまは頻繁に外にでるように意識してください。人間がいることを鳩に訴求しておくと近づいてこなくなります。人間の気配が感じない場合は巣作りをはじめてしまいますよ。
(3)常に清潔にすること
仲間の鳩の糞がついているバルコニーやベランダは、鳩にとってたまり場になるシグナルなのです。衛生面でみても恐い病気の原因になります。清潔にすることはとっても大切です。捨て忘れたゴミを放置していることも具合が悪いです。餌場を提供してしまいますから、鳩はとっても喜びます。
鳩に巣を作られてしまったら、どのように対処すればいいのでしょうか?
鳩は鳥獣保護法によって保護されていますから、勝手に駆除することは法律的に許されていません。鳩が好きな環境を与えないようにしてください。鳩の糞や羽根は小まめに掃除をするようにしてください。巣の周辺に鳩が安心感を増やすものを置くこともマイナス要因になります。
鳩に巣を作られてしまった場合、巣立ちまでの期間は1か月半ほどになります。ヒナが成長して巣立ったことを確認したら、すぐに巣を撤去します。そして、その場所を清潔にするようにしましょう。巣立ったから安心してそのままにしていると、また親鳥が戻ってきます。
再び子育てをされてしまいます。不要物を取りのぞいたり、頻繁にベランダやバルコニーに出てみたりするようにすると人の気配を感じて鳩は巣を作らないのです。鳩が嫌う香が木酢液です。巣立ったあとの場所の周辺に木酢液を塗る方法も効果があります。木酢液は殺菌作用もありますから一石二鳥です。
鳩が巣を作りたい場所の特徴を理解して鳩被害を受けないように対策しておきましょう
鳩がベランダやバルコニーに住みついてしまうと、健康障害・視覚被害・衛生被害などさまざまな被害を受けることになります。特にお子さまや高齢者は免疫力が低下しています。そういった世代の方々がご家族にいらっしゃる場合は特に健康被害が気になります。ぜんそくやダニアレルギーの原因になってしまいます。
鳩の駆除をする前に、鳩が巣を作りたいと思われる場所を知っておきましょう。鳩の天敵になるのは「人間」「カラス」「猫」などです。こういった動物が出てこない場所を鳩は好みます。そして、3方向が囲まれている場所を快適な場所と捉えて巣を作ろうとします。
ベランダーやバルコニーに設置している室外機の裏や、雨樋の戸袋や植木鉢の間などに鳩の巣が作られるケースが多いです。鳩対策で大切なポイントは、その鳩がどこまで(いつまで)その場所に居着いているかです。それぞれのレベルによって対処方法が違います。(1)休憩鳩(2)待機鳩(3)ねぐら鳩(4)巣作り鳩などに分けられるでしょう。対処方法をそれぞれ説明してまいりましょう。
(1)休憩鳩への対策
休憩鳩とは、滞在時間も短い鳩のことです。比較的日中の明るい時間帯にやってきます。羽根を少し休めるだけに滞在しているだけなのです。この段階であれば、特に気になる被害も少ないです。軽い被害としては、騒音の問題や手すりや床に鳩の糞がついて汚れる程度になります。しかし、この段階でしっかりと掃除をして駆除をしておかないと問題が悪化してきます。具体的な駆除方法としては、ワイヤーを設置したり、生花に使う剣山を設置したり、忌避剤を撒いたりします。糞を綺麗に清掃していたら、人間の気配に気がついて立ち寄らなくなります。
(2)待機鳩への対策
休憩鳩は糞がそのままで対処されていないと安心できる場所だと判断します。そうなると休憩鳩から待機鳩となってしまいます。その待機場所は安全ですから、仲間の鳩とまるで「待ちあわせ場所」のように利用します。仲間を待っている場所やエサを待っている間に利用されてしまいます。
安全で待機できる場所として鳩に認知されてしまうと、その周辺の周辺に巣作りができる場所がないかを確認しはじめます。この段階の駆除方法は、休憩鳩と同じです。ワイヤーを設置したり、生花に使う剣山を設置したり、忌避剤を撒いたりして、糞を小まめに掃除するようにしておきましょう。
(3)ねぐら鳩への対策
待機鳩の段階になりますと、その場所の周囲にさらに安心できる場所がないかどうかを探しはじめます。鳩はとっても賢い動物なのです。ベランダーやバルコニーに設置されているエアコンの室外機の裏などは三方向が囲まれています。そこをねぐらとして利用し始めます。
ねぐら鳩になってしまうと、糞の被害や羽音などの騒音被害も、これまでの休憩鳩・待機鳩とは桁違いに増えてきます。駆除方法もさらに強い方法になります。鳩に対して強い効果がある忌避剤を使ったり、剣山も強いものにしたり、場合によったらネットを設置して鳩が入らないようにしなければなりません。もちろんコストもかかってきます。
(4)巣作り鳩への対策
ねぐら鳩をそのまま対策しないで放置するといよいよ「巣作り鳩」になります。巣を作られてしまうと、縄張り意識や規制本能が出てきて、簡単に駆除することはできません。巣作り鳩になってしまった場合は、とにかくネットを利用することでしょう。鳩に巣を作るために帰ってこないように続けるしかありません。この段階で対処できそうもなければプロの助けを借りるほうが良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
鳩対策の基礎知識……鳩被害の対策法・鳩対策の具体例のポイントをいろいろとご紹介しました。鳩は鳥獣保護法の対象になっています。許可がなく駆除したり傷つけたりしてはいけません。1年以下の懲役や100万円以下の罰金が科せられる場合もあるからです。鳩を駆除する場合は、素人がするのではなくプロの業者にまかせるほうがいいでしょう。
鳩対策についての情報は別ページでも随時ご紹介してまいりますので、参考にしてください。